開催中の個展「石の記憶」。展示しているノストスブックスが古書店ということもあり、FROMEがその製作活動に大きく影響を受けた書籍をご紹介します。掲載する書籍は個展でも展示していますのでぜひ自由にご覧ください。またノストスブックスでは、同じ書籍もしくは同じ著者の別著などが在庫されていることもありますので、ご興味ありましたら気軽にお声がけください。八木 保の仕事と周辺八木保グラフィックデザイナー・アートディレクター八木保さんが関わった仕事と、それらの背景や関係する人物のインタビューを掲載した作品集。人間の五感がいかに優れ信頼に値するものか。作り手と受け手の全感覚コミュニケーションの軌跡が垣間見れる。代名詞とも言える、コンセプトを伝えるためにインスピレーションの元となる素材をボードにまとめた「マテリアルボード」は、直感的理解のしやすさと美しさが秀逸。「数多くの本を読んだり見たりして知識を得ることも大切なことだが本物に手で、目で、体で、実際に接して体験することの方がもっと大切である。」「デザイナーに最も必要なことは見る、聴くなどの体験を積み重ねることである。数多くの体験の中から印象に残ったイメージをアイデアとして形にすることが大切である。」などの言葉は、FROMEのコンセプト「From Experience」にも大きな影響を与えている。アースダイバー中沢新一「現代の東京は地形の変化の中に霊的な力の働きを敏感に察知していた縄文人の思考から、いまだに直接的な影響を受け続けているのである。」街の在り方が縄文人の思考から影響を受け続けているのかもしれないし、縄文人の思考が現代の私たちの思考のベースになっているからその街の在り方守り続けているとも言えるかもしれない。現代にも息づく数千年前からの変わらぬ感覚。人類学や民俗学、社会学や哲学などあらゆる学問の要素を含みながら、街や土地、文化などの物の見方について気づきを得られる一冊。創−つくる 日本人のくらし秋岡芳夫みずからを「立ち止まったデザイナー」と称した秋岡芳夫。生活技術を喪失し、創る楽しさを忘れてしまった我々に「消費」から「創」への回帰をうったえる。「ただ衣て、食べて寝るだけの人生には耐えられない。板の間や土間のある家で人間らしくなにかを作って暮らしたい。」「われわれは、バウハウスのめんめんが夢見たようなホモ・ファベルー工作する人間―らしい暮らしかた、叶うことなら生活用具を自作自用していたかつての日本の村のような生活技術のあるコミュニティにたちもどるべきだろう。工芸する暮らしをぼくはひとにもすすめたい。」幼少期、祖父から渡された肥後守を使って工作したことが、私にとってのつくることの原体験であり、そこで得た喜びが現在の製作活動の核になっている。つくることは暮らし、生きること。日々の暮らしの中で思いついたアイディアをかたちにするために、感覚を鍛え・技術を磨き・環境を整えることの大事さを思い出させてくれる。
The books influenced FROME
開催中の個展「石の記憶」。展示しているノストスブックスが古書店ということもあり、FROMEがその製作活動に大きく影響を受けた書籍をご紹介します。掲載する書籍は個展でも展示していますのでぜひ自由にご覧ください。またノストスブックスでは、同じ書籍もしくは同じ著者の別著などが在庫されていることもありますので、ご興味ありましたら気軽にお声がけください。
八木 保の仕事と周辺
八木保
グラフィックデザイナー・アートディレクター八木保さんが関わった仕事と、それらの背景や関係する人物のインタビューを掲載した作品集。人間の五感がいかに優れ信頼に値するものか。作り手と受け手の全感覚コミュニケーションの軌跡が垣間見れる。代名詞とも言える、コンセプトを伝えるためにインスピレーションの元となる素材をボードにまとめた「マテリアルボード」は、直感的理解のしやすさと美しさが秀逸。「数多くの本を読んだり見たりして知識を得ることも大切なことだが本物に手で、目で、体で、実際に接して体験することの方がもっと大切である。」「デザイナーに最も必要なことは見る、聴くなどの体験を積み重ねることである。数多くの体験の中から印象に残ったイメージをアイデアとして形にすることが大切である。」などの言葉は、FROMEのコンセプト「From Experience」にも大きな影響を与えている。
アースダイバー
中沢新一
「現代の東京は地形の変化の中に霊的な力の働きを敏感に察知していた縄文人の思考から、いまだに直接的な影響を受け続けているのである。」街の在り方が縄文人の思考から影響を受け続けているのかもしれないし、縄文人の思考が現代の私たちの思考のベースになっているからその街の在り方守り続けているとも言えるかもしれない。現代にも息づく数千年前からの変わらぬ感覚。人類学や民俗学、社会学や哲学などあらゆる学問の要素を含みながら、街や土地、文化などの物の見方について気づきを得られる一冊。
創−つくる 日本人のくらし
秋岡芳夫
みずからを「立ち止まったデザイナー」と称した秋岡芳夫。生活技術を喪失し、創る楽しさを忘れてしまった我々に「消費」から「創」への回帰をうったえる。「ただ衣て、食べて寝るだけの人生には耐えられない。板の間や土間のある家で人間らしくなにかを作って暮らしたい。」「われわれは、バウハウスのめんめんが夢見たようなホモ・ファベルー工作する人間―らしい暮らしかた、叶うことなら生活用具を自作自用していたかつての日本の村のような生活技術のあるコミュニティにたちもどるべきだろう。工芸する暮らしをぼくはひとにもすすめたい。」
幼少期、祖父から渡された肥後守を使って工作したことが、私にとってのつくることの原体験であり、そこで得た喜びが現在の製作活動の核になっている。つくることは暮らし、生きること。日々の暮らしの中で思いついたアイディアをかたちにするために、感覚を鍛え・技術を磨き・環境を整えることの大事さを思い出させてくれる。
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